鞄や財布などの革製品は、大切に扱っているつもりでも、日々使用していると汚れていきます。
適切な方法で手入れをしながら、きれいな状態で長く愛用していきたいところです。
この記事では、革の汚れ落としの方法について、汚れの種類別に対処法を詳しく解説します。
併せて、汚れを防ぐ革製品の扱い方も見ていきましょう。
革製品の汚れ落としは手入れ方法の判断が大切
革製品の汚れを落とす方法
手垢の場合
手垢のついた革製品は、汚れを布で拭き取り、革用保護クリームを塗布します。
汚れの程度により方法も異なるため、詳しい手順を見ていきましょう。
1. 汚れを布で拭き取る
手垢や軽いほこりなど、気になる部分を乾いた布で軽く拭き取ります。
手垢やほこりが付着した状態で長期間放置すると、革に汚れがこびりついてしまう可能性があります。
こびりついた手垢やほこりを落とす際は、かたく絞った濡れタオルや布を使い、付着した汚れを水気で少しずつほぐしていくように、優しくゆっくりと拭き上げましょう。
2. 革用保護クリームを塗る
汚れを拭き取ったら、革の素材に合った革用保護クリームを乾いた布に取り、薄くゆっくり伸ばして、革製品全体になじませます。
革表面を傷つけないよう、やわらかく清潔な布を使いましょう。綿などの天然素材のものがおすすめです。
3. 乾かす
革製品全体に革用保護クリームをなじませた後は、直射日光の当たらない風通しのいい場所に置き、完全に乾かします。
鞄の場合は、中に新聞紙を入れておくと、型崩れを防ぎながら湿気を取り除くことができます。
完全に乾いたら、乾いた布でもう一度拭けば手入れ完了です。新聞紙のインクは色落ちする可能性もあるため、不織布袋などに入れてからご使用ください。
ガンコな黒ずみの場合
ガンコな黒ずみを落とす場合は、ブラシで革表面の汚れを落としてから、革専用のクリーナーや中性洗剤を使って軽く洗い、革用コンディショナーで仕上げます。
詳しい手順を見ていきましょう。
1. 革表面のほこりや汚れを落とす
ブラシを使って革表面のほこりや汚れを落とします。革を傷つけないよう、優しくなでるようにブラッシングします。
2. クリーナーで黒ずみを落とす
ブラッシングでほこりや汚れを落としたら、革専用のクリーナーを使って、黒ずんだ部分を軽くこすり、汚れを落とします。
強くこすると革が傷ついたり表面の色が剥げたりする可能性があるため、優しくなでるイメージで拭き取りましょう。
3. 革用コンディショナーで仕上げる
黒ずみを落としたら、革の種類に合った革用コンディショナーを使って仕上げを行います。
革の油分は、クリーナーで落ちてしまう場合があるため、革用コンディショナーで油分を補います。
やわらかい布に革用コンディショナーを取り、革製品に塗り込むように塗布しましょう。
ただし、革用コンディショナーは使いすぎると革がやわらかくなりすぎてしまうため、少量ずつ、薄く塗るのがおすすめです。
カビの場合
カビが発生してしまった革は、濡らしてかたく絞った布を使い、カビを拭き取ります。
その後、直射日光の当たらない風通しのいい場所で乾燥させ、最後に革用保護クリームを塗れば手入れ完了です。
水に濡れた革は油分が不足している可能性が高いため、水拭きと革用保護クリームでの保湿は、セットで行います。
カビひどく除去しきれない場合は、専門業者に相談しましょう。
革製品の適切な扱い方
汚れがついたらすぐに落とす
革製品に汚れがついたら、できるだけその日のうちに落とすのが理想です。
汚れは付着してから時間が経つほどこびりつき、簡単には落とせなくなります。
その際は、革製品の汚れ落とし専用の消しゴムを使うのがおすすめです。
革専用の消しゴムは、革製品からインクや汚れを落とすために開発されたアイテムです。
一般的な鉛筆用の消しゴムとは異なり、革への負担を抑える材料でできているため、傷つけずに汚れを落とすことができます。
表面がつるつるとしている天然スムースレザーだけでなく、スエードなどの起毛タイプの革にも使えるため、ひとつあると重宝するでしょう。
革専用の消しゴムを使う際の手順は、次のとおりです。
1. 乾いた布と消しゴムで汚れを取り除く
汚れた箇所を乾いた布で軽く拭き取り、革専用の消しゴムで軽くこすって、汚れを取り除きます。
強くこすると革を傷つける可能性があるため、力を入れずに優しく行いましょう。
2. 革用コンディショナーで保護する
汚れを取り除いたら、再度、乾いた布で拭き取り、最後に革用コンディショナーを使って革を保護します。
なお、革専用の消しゴムを使う際は、事前に目立たない箇所で試してから使用すると安心です。
また、革の種類によっては、革専用消しゴムで汚れを落とせないこともあるため、その場合は革専用のクリーナーを使用するといいでしょう。
黒ずみが発生しないようにメンテナンスをする
黒ずみが発生しないよう、メンテナンスをすることも大切です。原因を把握して、黒ずみの発生を防止しましょう。
革製品の黒ずみが発生する原因のひとつは、手の皮脂や汗です。
そのため、日常的に手でふれる部分、特に直接肌にふれる時間の長いレザーの手袋や革靴は、手や足の汗や皮脂が革に染み込み、黒ずみが発生してしまうことがあります。
週に1度、清潔な布で乾拭きするだけでも、黒ずみの予防に効果的です。
湿気と直射日光を避けて保管する
革製品は、湿気の少ない、風通しのいい部屋で保管することをおすすめします。
革製品は、湿気に弱いという性質があるため、多湿で風通しの悪いクローゼットの中や物置、シューズボックスなどでの保管は、革にカビが発生する可能性が高くなります。
こうした場所に保管する場合は、定期的に風を通して中の空気を入れ替えましょう。
また、直射日光を避けることも大切です。直射日光を長く当たると、紫外線によって革表面が日照焼けして、色あせや色落ちを引き起こす可能性があります。
汚れにくい状態にする
汚れにくい状態を維持することも、革を扱う上では大切です。
革製品を購入したら、クリームや防水スプレーであらかじめ革を保護します。
乾燥による劣化を防ぐため、定期的な保湿も忘れず行いましょう。
革のケアは「目立たなくする」イメージで行う
革製品に汚れがついたら、できるだけ早く手入れして落とすことが理想ですが、必ずしもすべての汚れを完全に落とせるわけではありません。
革に沈着してしまった汚れやシミ、黒ずみは完全に落とすことは難しいため、「目立たなくする」イメージでケアをしましょう。
また、自分で対処できる自信がないときは、革製品専門の修理店にクリーニングを依頼するのもひとつの方法です。
特殊な洗剤を使ったりアイテムを一度解体したりして、すみずみまで補修やクリーニングをしてもらえます。
業者によって技術力や費用は異なるため、専門店へ依頼したいときは、いくつかの業者の実績やサービス内容を比較して検討してみるといいでしょう。
革製品は経年変化を楽しみながら手入れする
革製品を長く使っていく上で、経年変化を楽しむこともひとつの醍醐味です。
道具や衣服は使えば使うほど劣化してしまいますが、革製品は長く使うほど革がやわらかくなり、使いやすいものへと変化していきます。
また、革の色味や滑らかさ、ツヤや形なども少しずつ変わっていきます。
こうした経年変化を前提とした「革を育てる」使い方もあり、小さな傷や落とし切れなかった汚れもひとつの味わいと捉える人も少なくありません。
なお、適切な手入れを定期的に行うことで革が経年変化していきますが、中には加工段階で施される鞣しや顔料加工などの効果によって、経年変化を起こさない革製品もあります。
ナノガラスコーティングが施されたBONAVENTURAの革製品なら、手入れも簡単
BONAVENTURAの全製品には、最先端のナノガラスコーティングが施されています。
ナノガラスコーティングとは、ナノレベルのガラス系粒子が革の細かい目の中に浸透させることで革の表面を守る、コーティング加工のことです。
このコーティング加工により、水や汚れの吸着を防ぐ効果があるため、永く新品の美しい状態を保つことができます。
製品の使用頻度や環境によって若干変動するものの、ナノガラスコーティングの効果持続の目安は3ヵ月から4ヵ月程度です。
「製品使用後の4ヵ月目以降も、革の美しい状態をキープしたい」という方には、BONAVENTURAの「ナノ ガラス コーティング スプレー」がおすすめです。
定期的にこのスプレーを革製品に吹きかけることで、撥水効果が復活します。
革製品の汚れ落としの方法と手入れの仕方を改めて見直そう
革製品はとてもデリケートなもので、汚れの落とし方も適切な方法でなければかえって悪化させてしまう可能性があります。
また、日頃の扱い方も、汚れや傷のつきやすさに深く関係してきます。
大きな汚れや劣化を防ぐためにも、汚れの落とし方や手入れの方法を見直して、大切に扱っていきましょう。
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